窓口の医療クラークで、病院の印象が決まる

窓口対応も重要な仕事。医療クラークは病院の顔です

医療事務の重要な仕事の一つは、レセプトの計算ですが、窓口業務もレセプトと並んで重要な仕事です。受付窓口は、患者と最初に接する場所ですから、窓口担当者の対応如何で、その病院の印象が決まってしまいます。

病院へ来る人のほとんどが、もちろん具合の悪い人なので、イライラしていたり、また普段はいくら頭のキレる人でも、熱でボーとしているかもしれません。同じことを何度説明しても、理解してもらえない場合もあります。特に大きな病院は、初めての患者にとって迷路同然なので、とても不安になることもあります。このような患者の不安を取り除き、適切に案内することも、実はとても重要な仕事です。

以前、整形外科の窓口でこのような光景を見ました。あるお年寄り(1ヶ月ぶりの来院)が、忙しく時間がないので、診察をしないで薬だけを出して欲しい、と言ったのですが、窓口担当の女性は「前回の診察から1ヶ月開いているので、先生に見てもらう決まりになっています」と言いました。もちろんこの女性は、間違ったことは言っていません。しかし言い方がとてもきつかったため、老人は怒ってしまい「お前は黙っていろ、もう口をきくな!」とどなってしまいました。周りでこのやりとりを聞いていた他の患者も、気分が悪くなりました。

また別の病院で、やはり1ヶ月ぶりの老人(やはり薬だけ出してもらおうとしていました)に対して、受付の女性が「たまには先生に、顔を見せてあげてくださいよ。先生、お待ちかねですよ」と言いました。その老人は笑って「あら、そう。じゃあ診察も受けるわ」と言いました。

どちらの女性も、言っている内容は同じです。しかしものの言い方一つで、これだけ結果が違ってくるのです。

患者の応対をしながら、保険証の種類を確認し、カルテや診察券を発行するのは大変な仕事です。受付だけでなく、会計も同時に担当する場合もあります。正確かつ迅速な事務処理が、要求されます。理不尽なことを言ってくる患者もいます。いわゆるクレーマーもいるでしょう。しかし、決してマニュアルには載っていない患者対応こそ、ウデの見せ所ではないでしょうか。

「医療事務の仕事のやりがい」と聞かれたとき、一番多い答えが「患者さんに“ありがとう”と言われたとき」です。お世辞を言う必要はありません。笑顔で患者の心をほぐし、不安に寄り添ってあげてください。些細なことですが、大学病院の迷路にはまり、アタフタしているときに、親切に案内をしてもらえると、少し大げさですが「地獄にホトケ!」と思うこともあります。